4000年・・・
人々は、ロボットと共に生活をしていた。
今からちょうど1000年前・・・
世界中の人口が爆発的に増えたことと、世界中の領土がせまくなってしまった事もあり、世界中で食料問題が深刻となり、人々は・・戦争となった。
そこで、人類は戦闘兵器として、ロボットを採用をし、大量生産を試みた。
ロボットには、食べ物もいらない、戦闘能力も人間の倍以上、そして何より人間に対して、歯向かわない事が最大の、採用理由でもあった。
いつのまにか・・・人が人を殺すのではなく・・ロボットが人を殺すようになってしまった。
3500年・・・
戦争は終結し、世界中の人口は半分に減ってしまった・・。
しかし、ロボットの数が人口の数を超えるという異常事態が起き、人々はロボットを大量廃棄して
なんとか人口の数と、ロボットの数のバランスを保った。
皮肉な事に・・これが戦争を終結させる大きな要因で、あったことだ・・。
そして、現在まで平和を保っていた。

ロボット・人間A地区

「瑛士 起きなさい 学校へ行く時間よ」
「うーん・・わかったよ」
俺の、名前は 宮崎 瑛士 15歳。
今日も、普段通りに親に起こされ、またいつもの朝を迎えた所だ。
「ふわ・・ 毎朝の事だけど、答えるな・・」
こんな事を言いながら、渋々とベットから出て、身だしなみを整えた。
それから、俺は部屋を出て、リビングに向かった。
「エイジサマ オハヨウゴザイマス コチラガチュウショクデス」
「ありがとう シャル」
「ドウイタシマシテ」
出迎えてくれたのは、この家のロボットの、シャルだ。
名前に特に意味はなく、俺がふと思いついたのを言ったら、家族に採用されただけだ。
今では、どこかの電化製品みたいに、ロボットも「一家に一台」が当たり前になっている。
「なんだよ・・また食パンかよ・・」
「ナニカモンクガアリマスカ?」
「いや・・なんでもないよ」
ロボットの技術は、飛躍的に進歩し、簡単な会話ならこなせるようになった。高性能のロボットなら、それ以上の、言語能力も期待できる。
しかし、流石に感情はなく、笑ったり、泣いたりすることは不可能のようだが・・。
俺は、用意された朝ご飯を食べ、忘れ物がないか確認をして、家をでた。
「なんで・・お前もついてくるんだよ・・」
「モシモノトキノタメデスヨ」
「そりゃそうだが・・」
ロボットが復旧し、便利になった事もあるが、やはりロボットを使った犯罪などが、後を多々なくなり、
こうして、外出するときは、ロボットと共に外出するのが普通になった。
家から約10分、ぐらいの所に学校はあるが、移動手段がとても充実しているので、実際は3分ぐらいで着いてしまう。
ここA地区は、特にそうだ。
人口減少と、陸地の減少に伴い、300年前から、A地区、B地区、C地区、D地区とエリアをわけ
とりあえず、人々は均衡を保っていた。
ただ、エリアごとの格差はあり、まだ問題は山積みという噂も聞いたことがあるが・・・。
「よし 学校に着いた もういいぞ シャル じゃあな」
「イッテラッシャイマセ」
学校の前に来たら、流石にロボットは中まではついてこない。
僕は、シャルに手を振り、校舎の中に入っていった。
教室前に来ると、いつも通り友達達の、喋り声などが聞こえてきた。
「お、瑛士 おはよう」
「ああ おはよう 翼」
彼は、司 翼 俺と同級生だ。頭がとてもよくて、成績も学年トップ10に入るぐらいだ。俺がわからない所などはよく教えてくれる。さらに、とても器用で、暇なときはロボットの整備などをしている。
只者ではないやつ。
「翼 宿題見せてくれよ」
「またか 瑛士 たまには自分でやってこいよ」
「まあまあ 固いこと言わずにさ・・・」
しかし、突然後ろから・・・
「瑛士・・・何やってんの?」
「うわ 友美!」
彼女は、葉月 友美。翼にはかなわないが、彼女も頭が良く、また運動神経もとても良い。
また、かんが鋭く、こいつに何回俺の嘘がばれた事か・・。
「たまには 翼に頼らず自分でやりなさいよ」
「う、うるせーな・・」
「まあまあ 友美 僕はいいからさ・・・」
こんなやり取りを、していると学校のチャイムがなった。授業の始まりの合図だ。
授業の内容は、昔とほとんどかわらないが、今は新しくロボットに関する専門的な事を、学ぶ授業が増えた。
(早く終わらねーかな・・)
そんな事を、思いながら、授業を受けていた。
そして、長かった授業も終わり、やっと家に帰れる時がきた。
「は・・・やっと終わったぜ
 おーい翼帰ろうぜ」
「待ってくれ・・このロボットの整備をするから、先に帰っててくれ」
「ああ・・わかった」
そういって、俺は校舎をでた。外では、いつも通りシャルがまっていた。
「オツカレサマデス」
「いつものことながらお前も大変だな」
「ドウッテコトハアリマセン」
「そうかじゃあいくか」
俺は、シャルの発言に少し笑いながら、家と向かった。
周りの景色は、煙の出た工場、高層ビルなど、立派な都市だ。
しかし、いつもながらの風景ながら今日はなにか違う・・。
周りの、人やロボットが慌ただしい感じがした。
そう思った直後・・・
「!」
「アブナイデス」
シャルが、いきなり俺を押し倒した。
すると、ものすごい爆音と衝撃が、こちらを襲った。
幸い伏せてた事もあり、怪我をせずにすんだが・・・。
「ダイジョウブデスカ?」
「ああ・・ありがとうシャル
それより今のはなんだ・・?」
「ドウヤラバクハツノヨウデス」
「爆発・・!」
周りを、見てみるとさきほど、景色になっていた、高層ビルや、工場は爆発によって、倒壊していた。無惨にも、炎だけが形を残し渦巻いていた。
「ひどい・・」
「・・・!アレハナンデスカ?」
シャルの言われた方を、見てみると、
何やら姿が確認できた。
その姿はだんだんこちらに近づいて来ている・・・。
煙で、よく見えなかったが・・目を凝らすと・・
「ロボット・・?」
はっきりとはわからなかったが、その姿を確認できたのはすぐだった。
大きさは、俺とほぼ同じぐらいだったが、かなり高性能のロボットのようだ。
その、ロボットに見とれていると・・
「コロス・・・」
そういうと、謎のロボットは目の所にエネルギーをため、こちらに発射をしてきた。
「・・・っ」
間一髪の、所で相手の攻撃をよけたが、避けたさきの建物が、攻撃によって無残に焼き尽くされていた。
「オマエタチは、ワレワレノテキダ。ソシテワレワレガハイジョシナケレバナラナイソンザイダ。」
「は・・何言ってんだお前・・」
「・・・・」
そう言うと再び、謎のロボットはこちらに近づいてきた・・。
(や、やばい・・・でもなんで人間を狙うんだ・・このロボットは・・くそ・・考えても仕方がない
今は・・・)
「逃げるぞ・・・シャル!」
呼ばれたシャルはいつもなら、応答するはずなのに、返事がない。
「おい・・・シャル!」
「エイジサマ・・オニゲクダサイ」
「・・・!」
普段なら、ご主人の瑛士の事を素直に聞くが、始めて反抗された。
「何言ってんだ シャル このロボットから逃げないと・・・
俺もお前もあの世行きだぞ・・」
「ワタシハ、アナタノシュジンデス。 アナタノタメナラ
ワタシハ、ブヒンガコワレテウゴケナクナルマデ、


アナタヲマモリマス」
「・・・シャル」
力強いシャルの発言に思わず瑛士は、シャルに対して反抗できなくなっていた。
「わかった・・・
でも一つだけお願いしていいか?」
「ナンデショウカ?」

「必ず俺の所に戻ってこい」
「ワカリマシタ」
そう言うと、瑛士は全力で走り出した。
周りの景色なんて、気にならないぐらい俺は全力で走った。
「シャル 絶体帰ってこいよ・・俺もおまえの為に全力で、走って逃げて、生きるからな」

瞬く間に、瑛士の姿は、この場から消え去っていった。


 

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