「はい、ではこちらでお預かりしますね。」
「お願いします……。」
俺は、あの戦いのあとすぐさまポケモンセンターに向かい
ポカブを預けた。
あの時の戦いで、うけた傷はかなりのものらしく治療に時間が、かかるようだ。
ベンチに、座っているとあの戦いで、僕達を助けてくれた
最後に言った言葉が、どうしても頭から離れなかった。

「心を捨てているから…………」


一体どういうことなんだ。
旅の最初の時に、アララギ博士は「心から向き合うことが大切」といって
いた。
僕もそれを、信じてポケモン共に、旅をしてきた。
でも、それが今回の悲劇を生んでしまった。
ポケモンを信じ、最後まで諦めずに戦うという、個人的な主張で
ポケモンを傷つけてしまった……。
僕は、あのとき何もできなかった……。
ただ、ポケモンがやられている姿をみることしかできなかった。
………僕は…………僕は。

もう、ナオヤの頭はこのような悲観的な事しか思い付かなかった。」


ーーーーーーーーーー

「おい、お嬢ちゃん。俺達と一緒にこない。」
「………」
ヒウンシティに、むかう途中エリナは不良のポケモントレーナに
絡まれてしまった。
「俺達と一緒にきたら、面白いぜ。まあ朝までは付き合ってもらうけどな。
きゃははははははは」
甲高い笑い声が、響いた。
「は……。」
思わずため息が、出てしまう。この状況なのに、誰も助けようとしない。
通りゆく人達は、私と目があってもまるで、見てなかったようにさっていく。
誰だって自分が大切。結局助ける人なんていないわけ。
だから…………自分のことは自分で守るしかない。
「おい……いい加減なんかしゃべれ……」
その瞬間……手を出そうとした、不良の手から骨が折れる音がした。
「ぐお…………こいつ……」
手を折られた不良は、その場でうずくまってしまった。
「おい、どうした?」
「こいつ……一体何しやがった?」
相手は3人。これぐらいなら余裕……。
そういうと……エリナは場にポケモンを出した。
「は……ポケモンバトルっていうことか……返り討ちにしてやるぜ。」
不良達は、3人同時にポケモンを出した。
「きゃははははははは、謝るなら今のうちだぜ。お嬢ちゃん。」
「……弱いものが何人集まった所で、私には勝てない。」
その、言葉を言った瞬間先ほどの、ふざけた表情が一変した。
「その口……二度と使えなくしてやるぞーーーおい!」

次のページ

inserted by FC2 system